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第15話 すき焼き好き

Author: satomi
last update Last Updated: 2025-12-11 08:58:20

「とりあえずの具材を買った。後は作る苦情はあとから受け付けるから、食事の時まで待ち給え」

 私と匠はさながら犬の待て状態で食卓で待っていた。颯斗は「私達二人が尻尾を振って待っているようだった。」とすき焼き完成後に聞いた。

「すき焼きって二日目が美味いよな…明日も食べに来ていいか?」

 匠に突然そんなことを言われたので、OKと言っておいた。

 確かに二日目が味が染みて美味しいけど、颯斗が作る料理だし、油断はできない。

 一日目で既に美味しい可能性も……。

「何故だ?何故一日目、それも作ったばかりなのに味が染みてるんだ?」

「企業秘密です」

「流石颯斗。すき焼きも美味しいわ。難を言うなら。どうして白滝が結び白滝じゃないのよ~‼食べにくいじゃない。私、箸が下手くそだから取るのが上手くできないのよ」

 颯斗は鍋奉行なの?私に白滝をくれた。

「他に欲しいものはない?」

「今のところ取り皿に一杯取ったわよ」

「俺もー」

「そんじゃあ、俺も取るか。実は肉、A4ランクの牛肉なんだよな。美女の血肉となるって言ったら、肉屋が張り切って安くしてくれた」

 だから、値引き交渉に私を使わないでよね。

「へぇ~、商店街のお店でそんな値段交渉のやり方があるんだ」

「一度美咲さんと行ったことがあるからなぁ」

「俺は顔バレして面倒なことになりそうだな」

「商店街は年齢層が上の方が多いからそんなに恐れることはないと思うけど、どうかなぁ?」

 TAKUMIってコワイな。命を狙ってるストーカーじみた人とかいそう。コワー。

 翌日になって、味に深みが出たところにさらに肉を足したようでもとにかく美味い。

「美咲、毎日こんなの食べてるのか?」

「うん、そうだけど?」

「絶対に太るぞ!ジムで泳ぐ距離を1km増やすくらいでちょうどいいと思う」

「大袈裟だよ~」

 本当に太った。

 前に来ていた服が入らない。これは危機。マジでジムで泳ぐ距離を1km増やそう。ジムに通う回数も増やそう。

「え?太った?美咲さんが?全然わかんないけどなぁ?」

 男性は女性の見た目に疎いと聞いた事がある。

 これは一大事。これより運動を決行する!

「運動をするとお腹が減るんだけど、それってどうなの?」

 ダイエット目的で運動してるのに、運動後に物凄くお腹がすくってこれはどういうことなの?

「それを我慢するのがアスリートなんだよ」

 私はア
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